
GoogleのAI OverviewsやChatGPTなど、AIが質問に直接答える形の検索が使われるようになっています。この記事では、クリニックがAI検索で適切に紹介されるための「AIO対策」について、基本的な考え方と、FAQ、一次情報、医師監修情報の示し方を中心に解説します。
クリニックのAIO対策とは
AIO対策とは、AIが生成する回答の中で自院の情報が参照・紹介されやすくなるよう、ホームページなどの情報を整える取り組みです(AIOはAI Optimizationの略)。LLMO、GEOなどと呼ばれることもあります。対象となる主なサービスには、次のようなものがあります。
- GoogleのAI Overviews(AIによる概要):検索結果の上部に、AIがまとめた回答と参照元のリンクが表示される機能
- ChatGPTなどの対話型AI:Web検索の機能を使い、Web上の情報をもとに回答し、出典を示すことがある
例えば「〇〇駅 近く 皮膚科 土曜」「子どもの発熱 受診の目安」といった質問に対し、AIは複数のWebページの情報をまとめて回答します。その参照元として自院のページが使われれば、医院を知ってもらうきっかけになります。
ただし、AIがどの情報を参照し、どの医院を紹介するかは各サービスの仕組みによって決まり、医院側でコントロールすることはできません。AIO対策は「必ず紹介される方法」ではなく、AIにとっても患者さんにとっても正確でわかりやすい情報を用意しておく取り組みと捉えるのが現実的です。
基本はSEOと正確な基本情報
GoogleはAI Overviewsについて、特別な最適化は必要なく、通常のSEOのベストプラクティスがそのまま当てはまるという趣旨の案内をしています。参照元として表示されるには、ページがGoogleにインデックスされ、検索結果に表示できる状態であることが前提です。つまり、AIO対策の土台は、これまでのSEO対策と同じです。
そのうえで、クリニックが特に意識したいのが、基本情報の正確さと一貫性です。
- 医院名、住所、電話番号、診療時間、休診日を、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、各種ポータルサイトで一致させる
- 診療科目、対応している検査や治療、対応していない診療を明記する
- 駐車場、バリアフリー、キッズスペースなど、患者さんが条件として質問しやすい情報を文章で書いておく
- robots.txtなどの設定で、検索エンジンやAI検索サービスのクローラーを意図せずブロックしていないか確認する
診療時間表などの重要な情報が画像の中だけに書かれていると、テキストとして読み取りにくいことがあります。重要な情報はテキストでも記載しておくと安心です。構造化データ(schema.orgのMedicalClinicなど)で医院の基本情報を記述しておくことも、検索エンジンに情報を正しく伝える助けになります。
FAQで患者さんの疑問に答える
AI検索では、患者さんが話し言葉に近い質問をそのまま入力することがあります。「健康診断で血糖値が高いと言われたら何科に行けばいい?」「巻き爪は皮膚科と整形外科のどちらで診てもらえる?」といった質問です。こうした疑問に質問と回答の形で明確に答えているページは、AIにとっても内容を理解しやすい構成といえます。
FAQを作るときのポイントは次のとおりです。
- 受付や診察室で実際によく聞かれる質問をもとにする
- 回答の最初の一文で結論を述べ、その後に補足を書く
- 予約の要否、検査の流れ、所要時間の目安など、自院での対応を具体的に書く
- 一般論として断定できない内容は、受診して医師に相談するよう案内する
なお、FAQの構造化データによるリッチリザルト(検索結果でのQ&A表示)は、現在Googleでは表示される対象が限られています。構造化データの有無にかかわらず、ページ上で患者さんの疑問にきちんと答えること自体に価値があると考えましょう。
一次情報と医師監修情報の示し方
AIは多くのWebページの情報をまとめて回答を作ります。どの医院のサイトにも書かれている一般的な説明だけでは、自院のページが参照される理由が生まれにくくなります。そこで重要になるのが、自院にしかない一次情報です。
一次情報の例
- 院長が実際の診療を通じて伝えたいこと、受診時に気をつけてほしいこと
- 自院で行っている検査や治療の具体的な流れ
- 導入している医療機器と、それによってできること
- 予約方法、待ち時間を減らす工夫、感染対策など院内の運用
ただし、患者さんの体験談や、治療効果を誇張する表現は医療広告ガイドラインで制限されています。一次情報は「医院としての事実と方針」を中心に書くのが基本です。
医師監修情報の示し方
医療情報では、誰が書いたのか、誰が確認したのかが信頼性の重要な手がかりになります。記事や診療ページには、監修医師の氏名、所属、経歴、保有資格や所属学会を明記し、医師紹介ページへリンクしましょう。あわせて公開日・最終更新日を表示し、参考にした診療ガイドラインや公的機関の情報があれば示しておくと、情報の根拠が伝わりやすくなります。

AIO対策の進め方と確認方法

- 現状を確認する:自院の地域名と診療科、患者さんからよく受ける質問などをAI検索で実際に入力し、自院が紹介されるか、情報に誤りがないかを確認します。
- 基本情報を統一する:ホームページ、Googleビジネスプロフィール、ポータルサイトの情報のずれを解消します。
- FAQを整備する:診療ページごとに、患者さんの実際の質問にもとづくFAQを追加します。
- 一次情報を発信する:院長の言葉や院内の運用など、自院ならではの情報を加えます。
- 医師監修を明示する:監修者の情報と更新日を各ページに表示します。
AIの回答は、同じ質問でも時期や聞き方によって変わることがあります。一度の確認で判断せず、定期的に同じ質問で確認して変化を記録していくことが大切です。AIの回答に自院の誤った情報(古い診療時間など)が含まれていた場合は、参照元になっていそうな情報源を探し、内容を修正しましょう。
よくある質問
診療科によってAIO対策の進め方は変わりますか?
SEOの土台の上に正確な情報を整えるという基本は共通ですが、重点を置く情報は診療科によって異なります。例えば小児科では保護者が迷いやすい受診の目安や予防接種の案内、皮膚科や美容皮膚科の自由診療では治療内容・費用・リスクの明記、整形外科では痛む部位や症状ごとの説明が、患者さんの質問に答える情報になります。
AIに自院の情報を間違って紹介されたらどうすればよいですか?
まずは、ホームページやGoogleビジネスプロフィールなど、自院が管理している情報が最新かを確認します。古い情報が掲載されたままの外部サイトがあれば、修正を依頼することも検討します。AIの回答は参照する情報によって変わるため、正確な情報をWeb上にそろえておくことが基本です。
AIで作った文章をホームページに載せても問題ありませんか?
AIを使って文章を作ること自体が問題になるわけではありませんが、医療情報には高い正確性が求められます。公開前に必ず医師が内容を確認し、誤りや医療広告ガイドラインに反する表現がないかをチェックしましょう。判断に迷う表現は、専門家や自治体に確認することをおすすめします。
まとめ
クリニックのAIO対策は、SEOの土台の上に、正確で一貫した基本情報、患者さんの疑問に答えるFAQ、自院ならではの一次情報、医師監修の明示を積み重ねていく取り組みです。AIがどの医院を紹介するかは保証できないからこそ、患者さんにとって信頼できる情報を整えておくことが大切です。
Grantaireのクリニックオートでは、記事の作成・入稿やHP構造の改善に加え、AI検索での表示状況のチェックも行っています。自院がAIにどう紹介されているか気になる方は、お気軽にご相談ください。


